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精神・神経の障害

脳や神経の障害による後遺症などについて解説しています。

慢性疼痛

頸部痛、腰背部痛など、症状固定後も疼痛が残ることはよくありますが、なかでも、自賠責保険上「特殊な症状の疼痛」として位置づけられる慢性疼痛として、カウザルギー、RSD、CRPS、線維筋痛症などがあります。 (続きを読む…)

抹消神経障害(むち打ち症など)

  • 頚椎捻挫
  • 頸部挫傷
  • 外傷性頸部症候群
  • 外傷性頸部捻挫
  • バレ・リュー症候群

など、いわゆるむち打ち損傷の後遺症がここに含まれます。

末梢神経障害に関する等級の認定は、原則として損傷を受けた神経の支配する身体各部の器官における機能障害に関する等級により認定するとされています。

抹消神経障害の認定基準

後遺障害等級表によると抹消神経障害の基準については以下のようになります。

12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号 局部に神経症状を残すもの

認定基準における12級と14級の差については、12級は「通常の労務に服することはでき、職種制限も認められないが、時には労務に支障が生じる場合があるもの」であり、14級は「12級よりも軽度のものが該当する」とされています。

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脊髄損傷

脊髄損傷後の後遺障害については感覚、運動だけでなく自立神経も損傷することもあり、複雑で多様なな症状を呈する場合が多くあります。

ですから、被害者の症状が、その事故によって脊髄損傷を受けたことによるものなのかどうかが焦点となります。

脊髄損傷が生じた場合の後遺障害等級は、脳の身体性機能障害と同様に、

  1. 麻痺の範囲
  2. 麻痺の程度
  3. 生命維持に必要な身のまわり処理の動作についての介護の有無および程度

により、認定されます。 (続きを読む…)

非器質性精神障害

非器質性精神障害とは、脳に器質的損傷は確認できないが、異常な精神状態が生じている状態のことです。 
以下のような症状が問題となります。
 

  • 抑うつ状態
  • 躁状態
  • 不安状態
  • ストレス反応症状
  • 身体表現性症状
  • 幻覚妄想状態
  • その他(不眠記憶障害・知的能力の障害など)

上記の症状につき問題となってくるのは交通事故との因果関係ですが、これは様々な要因によって判断されます。

そして交通事故との因果関係が認められると後遺障害等級の評価が問題となりますが、目安となる認定基準は以下のとおりです。
 

  • 日常生活において著しい支障が生じる場合・・・・9級
  • 日常生活において頻繁に支障が生じる場合・・・・12級
  • 概ね日常生活は可能であるが、時々支障が生じる場合・・・・14級

てんかん

てんかんに係る後遺障害等級の認定は、発作の型、発作回数等により以下の基準によることになります。
  
1か月に2回以上の発作がある場合・・・・3級以上
   
※通常、1か月に2回以上発作がある場合は、高度の高次脳機能障害を伴っているので、脳の高次機能障害に係る3級以上の認定となります。

1か月に1回以上の発作があり、且つ、その発作が「意識障害の有無を問わず転倒する発作」または「意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作」である場合・・・・5級

転倒する発作等が数か月に1回以上ある場合、または転倒する発作等以外の発作が1か月に1回以上ある場合・・・・7級

転倒する発作等以外の発作が数か月に1回以上ある場合、または服薬の継続により発作がほぼ完全に抑制されている場合・・・・9級

発作の発現はないが、脳波上に明らかにてんかん性棘波(きょくは)を認めるもの・・・・12級

身体性機能障害(麻痺)

脳の損傷による身体性機能障害(麻痺)には運動障害と感覚障害がありますが、後遺障害認定の対象となるのは、運動障害の麻痺です。

麻痺は、その部位により以下のように分類されます。

区分 麻痺の範囲
四肢麻痺 両方の腕(手)・足の麻痺
片麻痺 片方の腕(手)・足の麻痺
対麻痺 両方の腕(手)または両方の足の麻痺
単麻痺 両腕(手)または両足のいずれか一か所の麻痺

麻痺による認定は「麻痺の生じた範囲」「麻痺の程度」「介護の要否と程度」によって判断されます。 (続きを読む…)

高次脳機能障害

まず、脳の機能には、目や耳で感じた光や音を脳に伝えたり、脳から出た命令に従って手足を動かすなどの「一次機能」と、一次機能と連合して理解したり記憶したり、言葉で説明するなど、より高等な機能の「高次脳機能」とがあります。

交通事故による「脳外傷による高次脳機能障害」と呼ばれる障害は、脳の器質的損傷による障害であり、多彩な認知障害、行動障害および人格の変化が典型的な症状です。

認知障害とは?

記憶力障害、集中力障害、注意力障害などで、具体的には、新しいことを覚えられない、集中できない、計画して実行することが出来ないなどです。

行動障害とは?

複数の行動ができない、マナーやルールが守れない、適切な行動が出来ないまたは行動に抑制がきかないなどです。

人格の変化とは?

受傷前(事故前)にはみられなかった人格が現れることです。例えば、幼稚になった、自己中心的になった、病的に妬むようになったなどです。

また、この障害は、受傷後重篤な症状が発症しても、時間経過とともに軽減することも一般的であり、医師に見落とされたり、本人や家族もその症状に気付かなかったりしますので、見過ごされやすい障害という特徴もあります。

高次脳機能障害の等級認定

脳外傷による高次脳機能障害の等級認定にあたっては基本的に以下のような考え方とされています。

  障害認定基準 補足的な考え方
別表第1
1級1号
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの 身体機能は残存しているが高度の痴呆があるために、生活維持に必要な身の回り動作に全面的介護を要するもの
別表第1
2級1号
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの 著しい判断力の低下や情動の不安定などがあって1人で外出することができず、日常の生活範囲は自宅内に限定されている。身体動作的には排泄、食事などの活動をおこなうことができても、生命維持に必要な身辺動作に、家族からの声掛けや看視を欠かすことができないもの
別表第2
3級3号
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの 自宅周辺を1人で外出できるなど、日常の生活範囲は自宅に限定されていない。また声掛けや、介助なしでも日常の動作を行える。しかし記憶や注意力、新しいことを学習する能力、障害の自己認識、円滑な対人関係維持能力などに著しい障害があって、一般就労が全くできないか、困難なもの
別表第2
5級2号
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 単純くり返し作業などに限定すれば、一般就労も可能。ただし新しい作業を学習できなかったり、環境が変わると作業を継続できなくなるなどの問題がある。このため一般人に比較して作業能力が著しく制限されており、就労の維持には、職場の理解と援助を欠かすことができないもの
別表第2
7級4号
神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの 一般就労を維持できるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどのことから一般人と同等の作業を行うことができないもの
別表第2
9級10号
神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの 一般就労を維持できるが、問題解決能力などに障害が残り、作業効率や作業維持力などに問題があるもの

脳の器質性障害とは?

脳の障害は、精神機能の障害(記憶障害、認知障害、情動障害など)および身体的障害(運動障害など)として現れますが、その原因として、脳が(器質的に)損傷したことによる「器質性の障害」と脳の損傷が認められない場合の「非器質性の障害」に分類されます。

自賠責保険の後遺障害等級認定においては、「器質性の障害」は後遺障害等級1級まで認定されるのに対し、「非器質性の障害」は、9級までしか認定されないとされています。
  
ですから、精神・神経の障害が残っている場合には、それが事故による器質的な損傷によるものかどうかが非常に重要な問題となります。

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